近年頻繁に話題に取り上げられる職業の1つに介護職があります。高齢化が進む今、高い将来性を持つ重要な仕事だからかもしれません。しかし、新しく介護業界に入って来る若者の少なさや離職率の高さから、慢性的な人材不足に陥っています。全国には福祉を学ぶための専門学校や大学があるにもかかわらず、2014年のデータでは、介護施設で働く10代や20代の割合はたった2割ほどだという結果だったそうです。そして、人材不足の主な原因として挙げられていたのは、賃金の少なさでした。
一人で生活することが困難な方を支えるためには、若いパワーは欠かせません。しかし、高齢者と関わる上で発生する命のリスクや残業、夜勤などの苦労が給与に反映されていないと仕事への関心は薄れてしまいます。しかも将来に不安を感じたり、福利厚生が充実していなかったりというマイナスイメージもあるため、介護業界で人手を獲得するために何らかの手を打つ必要が出ています。
介護業界の人材不足は国としても問題視しており、介護人材の獲得のために様々な取り組みを行っているようです。その一つとして、ハローワーク内に転職者向けの「福祉人材コーナー」を整備しています。また、離職率への対策として、福祉職場で働く職員のための相談電話を設置している自治体もあるようです。なかなか人には言えない職場での悩みを気軽に話せる場所があれば、不満があっても一人で悩まずに済むため、介護の現場で長く働ける人材が増えることが期待されます。